【素材を巡る旅】全てはニンニク中心??ニンニク農家の一年と苦労
ニンニク専門農家白川大輔さん
中編
《その他》 # 薫るガーリック醤油の素 # 薫るだし醤油の素 # 醤油の素シリーズ 22.07.14
前回ニンニクの種類には北で育つ寒地系、南で育つ暖地系の主に二種類あり、それぞれ育ち方の特徴や味わいが違うということがわかりました。
今回はニンニクが一年を通してどうやって育っていくのか、また白川さんが苦労されたことなどをお伺いいたします。
石川 今が収穫の最後の時期(6月初旬)と事前に聞いたのですが、ニンニク農家さんの一年はどのように過ごされているのでしょうか??
白川さん 収穫のピークが5月なのでそれに合わせて一年を過ごします。
まず7-8月に土づくりをします。自家製の堆肥を作り畑に入れて耕します。
9-10月に畝(うね)を作り、種を植え、10-11月には芽が出てきます。ニンニクを一片ずつ機械と手作業の両方でひとつひとつ丁寧に植えます。この時期は腰をずっと曲げる作業が続くので腰痛が辛い時期です。
12月から3月の間はほとんど成長しないので、排水のチェックや病気にかかっていないかなどニンニクを見守ります。
3月になると少しずつニンニクの形に変化し始め、4月になり暖かくなってくると急成長します。雑草も多く生えてくるので手作業で除草します。また、ニンニクの芽が出始めるので不要な芽を摘み取り、土の中のニンニクに栄養がいくようにします。
収穫前に試しに数カ所試し堀りをして、均一に成長していれば収穫に移り、5月6月にかけて収穫をします。
石川 一年のうち一番大変なのはどの時期ですか?
白川さん うーん、そうですね、特に気疲れするのはやはり4月ですかね。4月は春の暖かさでニンニクが急成長する一方で、季節の変わり目で雨が多くなる季節でもあります。気温が高くなって虫が増えたり、雨が多くなるとどうしても病気が増えるので、早く収穫したいという気持ちと、成長を見守る時間の狭間でストレスが溜まります。
石川 確かに今のお話を聞くと一年かけて作ってきたニンニクが台無しになる可能性もあるんですよね。
白川さん そうなんです。複数の野菜などを作るのとは違い、ほとんどニンニクのみを栽培しているので、ある意味専門農家の宿命かもしれません。60歳までニンニクを栽培できたとしても数十回しかチャレンジできないんです。なので、一年のなかで試せることは色々試して、試行錯誤しながら過ごしています。
石川 そう考えると、毎年収穫の時期は胃が痛くなりそうですね。ちょっと私では耐えられないかもしれません。笑 一年かけて栽培から収穫までうまくいくと言うことないですね!
白川さん 一年で何万個ものニンニクを育てて収穫するので、大きな自然災害や病気もなく収穫できたり、お客さんが欲しいと言ってくれた量をしっかり作れたときはホッとしますし嬉しいですね!
「一年に一度しか収穫できない農作物。」
この一文だけを読むと当たり前のことに感じますが、その裏には実際に一年を通して自然災害や、病気などのリスクと隣り合わせであったり、お客様のご期待に応えなくてはいけないプレッシャーが常にあったりと、ニンニク専門農家さんならではの苦悩を知ることができました。
次回の後編では白川さんの考えるこれからについてなどを伺っていきます。
石川
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記載されている内容は2022年7月14日当時の情報であり、現在とは情報が異なる可能性があります。
あらかじめご了承ください。